今日はカラオケボックスでギターを弾きながら歌い、動画を撮影して、自分の声を改めて聴いてみた。
自分の声は、良くはないし、変だと思うが、嫌いではない。
今日は、すぎもとまさとという方の「吾亦紅」を練習した。コードが簡単で助かるが、イントロが上手くない。
母親のお墓参りに行く中年男性の歌で、
「マッチを擦れば下ろしが吹いて、線香がやけにつきにくい。
さらさら揺れる吾亦紅、ふとあなたの吐息のようで。
盆の休みに帰れなかった俺のずさんさ、嘆いているか。
あなたにあなたに謝りたくて。仕事に名を借りたご無沙汰。
あなたにあなたに謝りたくて。山裾の秋、一人会いにきた。
ただ、あなたに謝りたくて」
下ろしとは、山から吹く冷たい風、都心から離れたいなか町のどこかの墓地なのだろう。
なかなか火がつかない線香は、男性の母への思いがなかなか届かないことを、冒頭から暗示する。
風に揺れる吾亦紅、綺麗だけど地味な花で、でも、しっかり根を張って生きる強い花、お母さんを表すのだろう。
主人公の男性は、お盆休みにもなかなか帰省できず、お墓参りもできず、計画性がないずさんさ、仕事を口実に実家に帰らなかったようですが、
でも、かつては、長時間労働などは普通だった、主人公男性を可哀想だと思う。
「小さな町に嫁いで生きて、そこしか知らない人だった、それでも母を生ききった。俺、あなたがうらやましいよ。
今はいとこが住んでる家に、昔みたいに灯りがともる。
あなたはあなたは家族も遠く、気強く寂しさをこらえた。
あなたのあなたの見せない傷が身に染みてゆく。やっと手が届く。
ばかやろう、となじってくれよ」
お母さんは、小さな町に嫁いで、その町のことしか知らなかったが、夫に添い遂げ、子供を育てあげた。
そんなお母さんがうらやましいのは、主人公男性は、何か全うしたものが無いからだった。
お父さんが亡くなったあと、お母さんは一人で生きたが、寂しいと口にしなかった。でも、本当は、孤独は辛かった。
そのお母さんの傷や、孤独が、いま、やっと理解でき、身に染みてきた。
あの世からでも、ばかやろう、と言ってほしいが、声はない。
一人で生きたお母さんの傷や孤独が、なぜ、いま、身に染みてきたのか。
「親のことなど気遣うひまに、後で恥じない自分を生きろ。あなたのあなたの形見の言葉。守れたためしさえ無いけど。あなたにあなたに威張ってみたい。
来月で俺、離婚するんだよ。
そう初めて 自分を生きる
あなたにあなたに見ていてほしい。
髪に白髪が、まじり始めても、俺、 死ぬまであなたの子供」
お母さんは、主人公男性に、何かしてくれと頼むわけではなく、ただ、自分に恥じないように生きろ、と言い残したが、それさえ守れたかどうか。
でも、お母さんに威張ってみたい。
来月で俺は離婚するんだ、はじめて自分を生きるのだ、と。
なぜ、離婚することが、威張ってみたいのか、この部分はよく分からない。
政略結婚したわけでもないだろうし、離婚は威張って言うことには思えないが、それは、男性の未熟さ、
「家長になれなかった」ことの恥じらいなのか。
だが、私は経験がないが、熟年離婚は、双方、辛いと思う。
私は、この歌を歌うと、いつも、北海道で一人で暮らす母を思いだし、涙がでる。
母も老いて、いろいろたいへんなのに、そばにいてあげられなくて、申し訳なく思ってきた。
弟が、北海道にもどり、母と暮らすときいて、本当に弟に感謝しありがたく思った。
コロナが収まったら、北海道に一度もどりたい。
# すぎもとまさと
# 吾亦紅