
高校時代から19歳にかけてよく訪問した、登別市内の喫茶店「シーハイル」を再訪しました。
ピザトーストやパフェ、軽食、ケーキセットがでる昔ながらの喫茶店で、1980年代は高校生や若者が多く来ていました。
マスターに「昭和56年から59年まで来てました」と告げると、当時の「落書き帳」を見せてくれて、 「何となく君を覚えている。友達と来ていて、向こうの席に座って時々ノートになにか書いていたね」と言った。
私は、30年以上も前なので、一緒に行った友達も、落書き帳のことも忘れていましたが、
帳面を見ていると、タイムカプセルに入れた過去の品物のように、自分がかいた落書きを発見しました。
「某吹奏楽団でクラリネットを吹いてますが、定期演奏会のチケットのノルマと広告5件が取れなくて、絶望的です。」「某高校の吹奏楽部のトランペットの人、かっこいい」ということを書いていた。名前は書いてなく、筆跡で分かった。
くだらないこと書いてるな、と思った。某高校の吹奏楽部のトランペットの人は、まったく記憶にない。もてない私のことだから、「あー、かっこいいな」と思っても、相手に伝わるはずもなく、こっちもそれきり忘れていて、名前も顔も浮かばない。
定期演奏会のチケットや広告のノルマについては、はっきり覚えています。
あちこちの商店を回っても、広告が取れなくて、東室蘭か幌別のぱちんこ屋さんに入ったら、寒いなか、温かいお茶とお菓子を出してくれた。
ぱちんこ屋さんの応接室には、朝鮮半島(差別語じゃなくて固有名詞だよね)の地図があり、異国の人か、と応対した男性をまじまじと見た。
1件で5000円だすと、1ページの6分の1に広告を出せる。
一挙に5件分、25000円だすと、6分の5ではなく、1ページまるまるの広告になった。
ぱちんこ屋さんは5000円ではなく、一挙に25000円、つまり5件分の広告代を出してくれて、ノルマを達成できた。さらにチケットも買ってくれて、鮮やかに1万円札が財布からでた。
あれは、本当に忘れられないし、感謝しております。
そして、私はその後、知人が舞台のチケットのノルマがあると、芝居でも音楽でも、いつもチケットを購入するようになった。
過去の自分は、チケットのノルマに苦しみ、孤独で、愛が欲しくて、今と同じくおバカなようでした