ずぶぬれの二人の札幌

札幌でフリーライブとグルメを楽しんでいます。

ジャズ喫茶COSSETTE COFFEE@登別市、手回し蓄音機、エジソンの蓄音機、ビクターの犬の物語

 登別市幌別駅からほど近い、ジャズ喫茶「COSSETTE COFFEE」を訪問しました。厳選されたコーヒー豆に、ジャズが流れる喫茶店ということでした。まずは、ブレンドにガトーショコラというケーキをもらった。コーヒーはコクがあって香りが良かった。

 店内には、テナーサックスなど楽器が飾られていた。落としたらたいへんだと近寄らなかった。

 都会的な洒落たジャズの音楽がかかっていた。私はジャズはあまり知らなかったが、なめらかな、美しい音色で、泥臭さのない洗練されたメロディ、クラシックを学んだ人が作ったかも知れない、と思うと、ビル・エバンスという人だと説明がありました。しょうじき、ジャズというものは、曲によって、現代クラシック音楽に聞こえたり、酒場で演奏される陽気な曲に聞こえたり、定義が、よく、わからなかった。

 やがて、音楽が途切れ、マスターが別の曲をかけると、それは微かなノイズが聞こえた。美しいピアノのメロディに、控えめだが正確なドラムがからむ。

「あ、これはレコードですか」「これはレコードですよ。スピーカーは、アビー・ロード・スタジオで使われたものです」「え?アビー・ロードってあのビートルズの?」「そうです。レコードの音は柔らかく綺麗ですから、1日中聴いていられます」「そうですか、この演奏のドラムが控えめでピアノを立てているからだと思いました」「ジャズのドラムはじゃかじゃか喧しくないですよ」

 ジョージョーンズという人の演奏で、「グリーン・スリーブス」だけ、知っていた。

 「ここには、手回しの蓄音機もあるんです」とマスターが黒い機械のレバーを回すと、「第三の男」のメロディが聞こえた。ゆるやかな音楽に聞こえた。「78回転のSPレコードです」「すごいですね。こういう機械がまだ残っているのですね」

 すると、マスターは、「これだけではありません。ここには、エジソンが作った100年前の蓄音機もあります。音は鳴りませんが」「え?エジソン。すごい。もし、音が聞けたら音楽の文化遺産ですね」「そんなに良い音じゃないですがね、昔のものは周波数の関係で」

 棚の上に、スピーカーの前に座る犬の置物があった。「この犬は、スピーカーから聞こえる亡くなった飼い主の声を聴いているんです」「それは、、可哀想。忠犬ですね」

 考えてみたら、すぐに消え去る音声を、今の時代ならスマホでも録音できるが、最初に蓄音機や電話機を発明した人はすごいと思う。パソコンを発明した人もすごいが、人類の三大発明は、蓄音機、電話機、パソコンじゃないかな。

 マスターはコーヒー豆だけではなく、音楽にも詳しく、授業を受けるつもりで話しを聴いた。

「ジャズの黄金時代は、1950、60年代なんです。それしか聴かない人もいます」「耳が肥えた方がいらっしゃるのですね」すごい人がいるなあと思った。