ずぶぬれの二人の札幌

札幌でフリーライブとグルメを楽しんでいます。

青年たちとカラオケ、プロセカという音ゲー

 熟年女は、一人カラオケに飽きたので、あまり上手くはないが、誰かとボカロを歌いたいと思い、SNSで見た人とコンタクトを取ると、アニソンとコブクロ好きな20代の男性と、ボカロや最近の歌が好きだという20代の男性がきた。

 アニソンとコブクロ好きな青年は超絶歌が上手くて、ジョジョというアニメの主題歌を何曲も歌ってから、「これからライブに出る」と2時間後に退席した。プロだったか。

 熟年女は、相手に合わせようと、「レイン」「リライト」など、たぶんアニソンと思われるものを歌った。

「はがれん、だね。懐かしい」

 青年たちは『はがれん』というアニメの話で盛り上がったが、それのテーマを歌う熟年女は会話に入れない。

 熟年女は、何回か聴けば覚えるアニソンは歌えても、はがれん、も、ジョジョというアニメも見たことはなかった。というか、1964年生まれなのに、ドラえもんやさざえさん、秘密のあつこちゃんさえ、見たことがないので、会話に入れないのは、50年前からだった。

 (さざえさんは、結婚してから何回か見れた。今から見たいと思えず)

 ボカロ好きな青年は、「シャルル」「天樂」「ベノム」「リンネ」さらに髭だんなどを歌ってすごく上手だった。

 アニメ好きな青年は、ボカロ好きな青年に

「シャルル以外は分からない。そもそもボカロってなんですか。何を持ってボカロと判断するのですか」と質問していた。

 いまは、ありとあらゆる種類の音楽があるので、同じ世代であっても、見える世界が人それぞれ違うのだ、と思った。自分の世界を生きるしかないのだ、と青年たちの会話を聞きながら、熟年女は考えた。

 熟年女は、「ロミオとシンデレラ」「フォニィ」「心という名の不可解」「炉心融解」「ヴィラン」「乙女解剖」「白日」「キュートなカノジョ」を歌った。

 そして、終了まぎわ、ボカロ好きな青年は、

「ボカロを深く知りたいなら、プロセカをやったら面白いですよ。音ゲーです。ボカロも覚えられます」

音ゲー、てなんですか。プロセカとはどういう意味ですか」

「プロジェクト世界、ていう音ゲーです」

と言いながら、青年は、スマホを出して、画面をひらき、「ビターチョコデコレーション」の歌に合わせて、画面をタップして、実演してみせた。熟年女は、そもそも、ゲームというものをやったことがなかった。

「この歌は分かりますか?」青年は、母親のような年齢の熟年女に尋ねる。

「わかります。shudouという人の歌です」

 青年は莞爾と微笑んだ。

 熟年女は、家に帰ってから、スマホに、プロセカのアプリを入れてゲームをやってみた。ミクちゃんがいろいろ語りかけ、面白かったが、いろいろなデータをダウンロードすると、スマホが悲鳴を上げるので、中断しました。

 やっぱり、歌は、YouTubeからmp3にして、CDに焼いて何度も聞いて覚える、アナログな昭和生まれの熟年女でした。