夕方、買い物から帰宅する途中、団地内の花壇から沈丁花の匂いがしました。
まだ、2月18日だけど、暖冬なのかな。
1999年の2月28日、私たちは家族と別れ、泣きながら飛行機に乗り、北海道から東京に来ました。
最初は世田谷区に住みましたが、着いたその日に、
まるで、私を迎えてくれるように、甘い香りがする、地味な雰囲気の赤い花を、家の近くの植え込みに見つけました。
北海道では見たことがない、初めて見る花だった。
その匂いを吸い込みながら、私は
「東京では、きっと楽しい日々が始まる」と根拠はないけど、思いました。
じっさい、すぐに、友だちができて、渋谷や新宿で愉快に遊び、
また、東京は、梅も桜も薔薇もツツジも美しく、毎月のように目を奪われ、
町では無料のアイドルのリリイベや、路上には無名の天才歌手がそこかしこに存在し、耳を奪われ、お祭り気分で楽しく過ごしてきた。
あれから20年、私は、自治会の活動をやったり、今も愉快な日々が続きます。
そんな、東京の春を知らせる沈丁花が今年も咲いて、甘い香りに足を止めます。
春になったんだなあ。
良いことあるような気がする。