ずぶぬれの二人の札幌

札幌でフリーライブとグルメを楽しんでいます。

札幌のホワイトイルミネーション、ドリカムの世界

 今日から大通公園ホワイトイルミネーションが点灯するというので、「今日は暖かいから見てこようか」と野良猫と一緒に大通まで歩いた。

 札幌駅と大通間の地下歩道では、道内の特産品の販売ブースがあり、ゲームをやって景品をもらったり、試飲用の小さい缶ビールの無料配布に並んだりした。「ここのチ・カ・ホ(地下歩道)は何かしらのイベントをやっているね。今日はツイてる」

 大通会場にたどり着くと、ちょうど女性歌手がステージで歌いおわり、点灯式のセレモニーが始まり、男性が挨拶していた。

 やがて、いっせいにイルミネーションがともり、「わあ、綺麗」と歓声がもれた。

 「綺麗、、、。でも、ホワイトイルミネーションは、やっぱり雪があったほうがいいな」「雪がない方がいいわ」

 昔、DREAMS COME TRUEの、「LAT43°N(北緯43度)」という歌で、「一緒に見る約束ホワイトイルミネーション。かなわぬ願いならうなずいて欲しくない」と歌われ、どんなものかと思っていた。彼女のいる男性と遠距離恋愛する女性の不安定な内面を歌うものだった。

 この歌は、実らぬ恋を歌うが、歌の世界のヒロインは、聡明で、「どんなに想っても伝わるのは半分。あなたの口ぶり、いつもどこか嘘ね。電話の遠い声、感じないわけじゃない」と男性の言葉に誠実さがないことなど感じ、現状を理解している。そんな冷静な女性であっても、恋愛というのは狂しく切ないものなのだ。恋とはするものではない、落ちるものなのだ。

 「今ごろ雪が降って街中白くそめる。私のことを思うあなたを消して。こんなに遠い場所でどんなに想っていても、いつかは忘れられる。雪と距離に邪魔されて。本当は気づいているの。あなたは彼女を忘れない」深い雪とイルミネーションに消されて、不実な人は消えてしまう。雪はすべてを消してしまう。

 「イルミネーションは、綺麗だなあ。今日は景品もらえて良かった」と野良猫はささやかな幸せをかみしめる。大通公園はまだ雪はなかった。