ずぶぬれの二人の札幌

札幌でフリーライブとグルメを楽しんでいます。

ギター女子と最後に、百道浜も室見川もないがお台場も目黒川もまた

 武蔵小山カラオケボックスで、ギター女子二人と会って、最後の練習で、「ジェニファー」「マリーゴールド」など彼女たちが好きなあいみょんの歌を弾き語りし、カラオケも歌いました。

 ギター女子に、「最後に廻廻奇譚を歌って」と言われ、オクターブをごまかした歌を歌った。

 若いギター女子は、椎名林檎という人の「正しい街」を歌ってくれた。百道浜室見川もない街を出て、人は東京で未来をつかもうとするが、わたしは、お台場も目黒川もギター女子もいない場所にこれから向かうのだ、と思った。

 初めてギター女子に会った時、わたしは彼女を女子高生美少女だと思い、胸の高鳴りを抑えながら、「私とギターを練習することをお父さんお母さんはご存知ですか。こちらから連絡しますか」と、未成年誘拐と誤解されたくなく言ったものだった。

「また東京に来れたら一緒に練習しましょう。人生は長いから」と語る美少女は眩しく、わたしは涙をこらえる。

 ギター女子は、ケーキを買ってきてくれた。生クリームが口のなかで、はかなく溶けていった。