熟年女は、いつものカレーの店に行くと、9歳くらいの若者、トランプを広げて遊び相手募集していたので、記憶力を試すために、神経衰弱に挑戦した。
トランプのカードが裏返しになると、何の数字だったのか、まるで覚えられない熟年女は、一組も札を取れなかったが、若者は、1度めくったカードの数字を記憶して、次々と、札の数字を合わせて取っていく。
中盤になり、ようやく、まぐれ当たりで一組のカードの数字が一致すると、熟年女は、ほっとする。
後半になり、カードが残り少なくなると、視覚的記憶力が乏しい熟年女も、何とか札をゲットできた。
「あたし、全部のカードを取りたかった」
「序盤戦からたくさんカードを取って、貴女の勝利は確定です、
せめて、私に、9回裏のバッターボックスでヒットを打たせて、花を持たせてください」
若者は勝利を手にして気分よく、熟年女は、最後に少し粘りを見せて追い上げたことで、気分よく帰宅した。
しかし、神経衰弱って、なんで、神経衰弱というのだろう。神経衰弱とは、鬱という意味だと思うけど。